プログラム概要

知識と知能の情報処理 ―コンピュータによる人の知の拡大―

 当初は計算の道具として登場したコンピュータの用途は,数十年の時を経て人間のより高度な知的活動を支援するまでに拡大してきました。同時に,コンピュータを稼働させる情報処理システムは,複雑化,高度化,知能化の一途をたどり,これを主導できる人材が必要となっています。この要請に応えるべく,知能情報システムプログラム(Division of Computer Science and Intelligent Systems)では,高度情報化社会のあらゆる分野において活躍できる人材として,数理的思考に基づいて事象をモデル化し,コンピュータによる高度なシミュレーションや新たなシステムを自立的にデザイン・構築することができる,国際的に通用する技術者,研究者の養成を目標としています。

 本プログラムの教育カリキュラムには,専門科目として,計算機科学・知能工学の基盤となる数理系科目群,情報処理を支える計算機科学系科目群,およびこれらの科目群から習得される知識や技術を基礎として知識・知能情報処理に関わる人工知能系科目群を用意し,これらの有機的連携のもとに教育が実施できるよう科目を配置しています。特に,情報・知能分野の専門知識・技術を支えるプログラミングの実践的能力を育成するために,演習科目を中心としたプログラミング教育科目を早期に系統的・集中的に配置し,教育プログラム体系の基盤としています。さらに,デザイン能力とチームとしての開発能力の育成とともに,学生の情報処理技術への意識啓発を目的として,プログラミング・キャンプ等の取組みや早期研究室配属の制度なども取り入れています。

 研究部門では,コンピュータのソフトウェア及びアーキテクチャに関する分野の研究ならびに人間の情報処理能力のコンピュータ関連機器による実現を目指した認知科学・人工知能の基礎及び応用を主なテーマとしています。また,大学における研究者の研究活動を支える計算機環境及びネットワークの構築やその円滑な運用に指導的な役割を果たしています。